2008年03月29日

抹消事項

2ヶ月ほど前に、ワードでのスタイルを活用するためのトレーニングを受けて以降。よく使う形式に対応するように、せっせと雛型を作っています。

たとえば、裁判資料の英訳であれば、レベル1が「第1」、レベル2が「1.」レベル3が「(1)」に対応するように、既存の事務所のテンプレートに手を加え、自動的にヘッダに最後に編集した日付が入るようにして、和訳であれば日本語の部分はMS明朝のフォントを、英数字部分は必ず Times New Roman になるように、工夫しました。

そんな流れの中で、参考訳を作成しなければいけないことの多い公式文書の一つにつき、秘書の方が原文と見た目がそっくりの美しい表形式の雛型を作ったということで、それにも少し手を加えて同じフォルダに保存しておきました。

すると、一昨日のチームミーティングの中で、書生君が自分でも雛型のコレクションを作っているので、是非利用してほしい、と発言したのです。

早速アクセスしてみると、想定していた場面が違ったのでほとんど重複しているものはなかったのですが、先ほどの公式文書の雛型のみ、秘書の方が作ったものがそのまま入っていました。

そこで、両方印刷して、隊長と書生君に、実は私自身これを少し修正したんだけど、今後はどっちをオフィシャルな雛型にしたいの?と聞きに行きました。

すると、隊長が "Where have you improved it?"(どこを改善したんだ?)と尋ねるので、フッター部分にある、

「下線は抹消事項であることを示す」

の訳を指差しました。

秘書の訳は

"Underlying shows items that have been cancelled."
(おそらくunderlining のタイプミスかと思われるのですが、underlying だと「根底にある」という意味になってしまいます)

であったのを、

"Underlined areas denote items that have been deleted."

に変更しておいたのです。

すると、隊長は、

"I disagree,"(僕は賛同しかねるな)

と言うではないですか。

"Why?" (なぜ?)と聞き返すと、

"Some of the items that are underlined are people. You can't delete people."

"Should I use "cancelled", then?"

すると、「うーん」という表情で、"Maybe..."superseded?" Because that's what's happening, isn't it?"

"But it says 末梢 in the original! Look!"(でも、原文には「末梢」とあるではないですか。見てください!)と抗議すると、たまたま手元にその性質の書類があったため、"Let's see," (どれどれ)とのぞき込みました。そして、

"Well, I see your point. But using the word "delete" just isn't good English. Sometimes it isn't a good idea to use direct translations. I mean, if someone said 「腹を切ってがんばります」, you wouldn't translate that as "I'll cut my belly open," would you?"

そして私が言葉に詰まってしまったのを見て、

"Besidses, you beat me yesterday, so now it's my turn. Hah!"
(それに、昨日は君に負けたんだから、今日は僕の番だぜ!)

と言うではないですか。

確かにその前の日には、日本語の契約を英訳するにあたり原文の一条項の解釈について意見が分かれ、結局は私の解釈の方が正しい、という結論に落ち着いてはいたのですが...あまりにも大人げがない!と思いました。

なんとなく腑に落ちない気分で自分の机に戻ったところ、突然解決策が見えてきました。そして、

"Underlined areas denote entries that have been deleted."

と書き換え、再び隊長のところへ持って行ったのです。すると、

"Can 「事項」really be "entries"?" と最初は不審な顔をしたのですが、2、3回読み直すと、"Well, I guess that would work," (まあ、それなら上手く行くかもな)

どうしても deleted を使いたかった私としては、かなり嬉しかったです。
かくいう私も、あまり大人げがないのかもしれませんね。
posted by EnglishMaster at 23:55| Comment(4198) | TrackBack(0) | 翻訳論議 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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